子宮頸がんワクチン

(http://www.city.hachioji.tokyo.jp/hoken_iryo/1077/039350.html)

平成25年6月14日厚生労働省より、子宮頸がんワクチンを接種した後の人から、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛を認めたため、この副反応の発生頻度や原因などを明らかとするまでは、積極的なワクチン接種の勧奨を行うべきでないとする見解を発表しました。
これは、子宮頸がんの定期接種を中止するということではなく、接種を希望する人に対しては、従来通り定期接種として無料で行うことができますが、この場合はワクチンの有効性と接種による副反応が起こるリスクを十分に理解したうえで受けるようにしてください、というものです。
まず、この子宮頸がんワクチン接種後にみられた持続する疼痛とはどのような副反応であるのかですが、そのまえになぜ子宮頸がんはワクチンで予防することができるのか、そして予防する必要性について述べてみます。

子宮頸がんとは

子宮頸がんは女性の子宮の入り口部分(子宮頸部)にできるがんです。発症のピークは40歳代ですが、20-39歳の若い女性がかかる癌のなかでは近年では最も罹患率が高くなっていて、増加傾向にあります。2011年の統計では、子宮頸がんに罹患する人はおよそ9800人で、年間2700人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルスが子宮頸部の上皮感染することが原因です。
ヒトパピローマウイルスはありふれたウイルスで、皮膚や粘膜などの上皮と親和性が強く、乳頭腫と呼ばれるいぼの原因となるウイルスです。
このヒトパピローマウイルスのうち16型と18型が主に性交渉を介して女性の子宮頸部の上皮に感染すると、その後長い年月をかけて、およそ5年から10年で異形細胞から上皮内癌へと進展し、さらに時間をかけて浸潤癌へと進展していくのです。
もちろん感染した人がすべてこのような経過を取るわけではありません。 性交渉の経験をもつ女性の80%は生涯のうちにこのハイリスクのパピローマウイルスに感染するといわれていますが、そのほとんどの90%近い人は自己の免疫によりウイルスを排除することができます。しかし10%程度の人はウイルスを排除できずに持続感染の状態となります。そのなかの数%の人で、子宮頸部の上皮細胞に持続感染したウイルスが長い年月をかけて感染細胞を異形細胞から腫瘍細胞へと変化していくのです。
(http://aka-zukin.jp/comprehension/what.html) 以前は子宮頸癌の発症のピークは40歳代であったのが、最近ではそれが30歳代へとなっており、妊娠出産の時期と重なることが予測されるため診断や治療において問題となってきています。 (http://www.know-vpd.jp/vpdlist/hpv.htm)

子宮頸がんワクチン

このような子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染を予防するのが、子宮頸がんワクチンです。
現在16型と18型を含むサーバリクスと、さらに6型、11型を加えて、尖圭コンジローマなどへの予防効果も併せ持つガーダシルの2つがあります。
これらワクチンは現在では世界中の多くの国で使われており、日本でも2009年の12月から定期接種が行われておりました。

子宮頸がんワクチンの副反応

これらワクチンの発売時の添付文書での主な副反応は以下の通りでほぼ同じようである。

各ワクチンでの副反応・添付文書より
発生頻度 サーバリックス ガーダシル
50%以上 注射部位の痛み・発赤・腫れ、疲労感 注射部位の痛み
10-50% 痒み、腹痛、筋痛・関節痛、頭痛 注射部位の腫れ、紅斑
1-10% 蕁麻疹、めまい、発熱 注射部位の痒み・出血・不快感、頭痛、発熱
1%未満 注射部位の知覚異常、しびれ感、全身の脱力 注射部位の硬結、手足の痛み、筋肉のこわばり、腹痛・下痢
頻度不明 手足の痛み、失神、リンパ節の炎症 疲労・倦怠感、失神、筋痛・関節痛、嘔吐

その後実際に使用されてから報告されている副作用は、以下の様です。

報告のあった副作用の主な症状と頻度。
項目 アナフィラキシー ギランバレー症候群 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
主な症状 呼吸困難、蕁麻疹などを症状とする重いアレルギー 両手・足の力の入りにくさなどを症状とする末梢神経の病気 頭痛、嘔吐、意識の低下などを症状とする脳などの神経の病気
報告頻度 約96万接種に1回 約430万接種に1回 約430万接種に1回
(http://www.city.hachioji.tokyo.jp/hoken_iryo/1077/039350.html)

そして、このほかに持続的な痛みを訴える重篤な副反応が報告されており、これの頻度や原因・因果関係などを現在調査中ということで、子宮頸がんワクチンの積極的な勧奨を控えるべきという、厚生労働省からの見解が出されることとなったのです。

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